能登半島地震 被災地支援について(第4回目)

能登半島地震被災地支援も4回目となりました。今回は小山内代表が一人で支援にでかけました。今回も小山内代表のFacebookの記事を紹介します。

目次

3月15日

3月15日から能登半島地震被災地へ、4回目の支援活動を行いました。

今回は七尾市です。市内に4ヶ所あった避難所を、七尾市総合市民体育館のアリーナに統合することになり、その支援を行いました。

今日は体育館の下見と、七尾市の中島地区を中心に支援をしているNGO協働センターが拠点としている小牧集会所にも伺いました。

中島地区は穴水町のお隣りの地域で、七尾市街地から40分くらいの場所です。

小牧集会所は、支援物資の配布場と炊き出しの場所になっていました。

市の考え方として、自宅に戻られた方には物資の配布はしないということになっているので、NGOが代わって近隣の在宅避難の方々へ物資配布をしているとのことでした。

物資配布場所は、対象者ごとに棚をわけて、探しやすく整理整頓されています。

女性用品も数は少ないものの必要なものが置かれていました。

私がいるときも、カルビーさんからの物資がトラックで運ばれてきました。

またもや、行政の手が届かない部分をNPO、NGOが補完している姿を目の当たりにしました。

このNGOも、2007年の能登での災害時からのお付き合いで、その後も地域のお祭りにご一緒していたそうです。

さて、今回の宿泊先は中島地区の古民家を借りた場所。昔の実家のような広い、大きなお家。今は空き家になっており、そこを家主さんが無料で貸してくださったそうです。

お布団がないくらいで、あとは全て揃っていて快適です。シャワーも使えます。

さあ、明日はいよいよ100人分のダンボールハウスとダンボールベットの組立て・設営です。体力勝負なので、今夜は早めに寝ます。

3月16日

七尾市2日目。

今日はいよいよ、七尾総合市民体育館アリーナに避難所開設です。

午前中はシートを敷き、その上に畳をのせました。

シートを敷くのは、畳が滑らないようにするためなのだそうです。畳屋さん?もきて、敷き方のご指導。

午後はいよいよ、ダンボールハウスとダンボールベットの組立てと設置です。

なんと今日は富山市から4名。南砺市から15人がボランティアで駆けつけてくださいました。3日前の私からのお願いを快く引き受けてくださり、南砺市は市のマイクロバスをチャーターして駆けつけくださいました。

富山県組には70個のダンボールベットを作っていただきました。みなさんのスピードの速いこと!あっというまに完成です。

今回は小学生3年生もお父さんと一緒に参加してくれました。他にも子供3人がお手伝い。

ダンボールベット組立ての後は、出来上がったハウスにベットを設置。崩れないようにしっかりガムテープで繋げて、その上にマットレスを敷いて完成です。

本当に遠くから駆けつけてくださり、感謝しかありません。

明日はハウスが輪島から100個届く予定です。18日からの入居に向けて、環境整備もしなくてはいけません。

3月17日

七尾市被災地支援3日目。

午前中はNGO協働センターが運営している「小牧集会所」のお手伝い。

そして、午後は七尾総合市民体育館の避難所づくりでした。

今日の話題は小牧集会所について。

協働センターでは、この集会所で被災者への物資の配布や様々なイベントを開催しています。

今日は外では餅つき。中では「はぐくみ」さんのマッサージ。大阪の「まこまこ(?)」さんのカットサービス。それから、子供の遊びコーナーもあり、賑わっていました。

小さな子供連れのお母さんもたくさんいたので、スタッフボランティアの方に聞いたところ、中島地区というよりは、能登島や和倉からきている人がいるとのこと。市では在宅避難者には物資の配布をしていないこともあり、小牧集会所での物資配布の情報をSNSで得ているのでしょうか。

さて、この物資はどこから届いているのか?国でも自治体でもありません。NGOが企業や全国の方々にホームページで声がけをし、直接、集会所に搬送されてくる仕組みになっています。全国の方々のご支援です。

http://ngo-kyodo.org

自治体の手が届かないところを、民間NGOが支援している姿をまざまざと見せられました。

ご近所に住む在宅避難者のSさん。

仕事がお休みの日はここにきて、ボランティアの方とおしゃべりするのが楽しみとのこと。子供もボランティアのお兄さんと外でバドミントンしていて、ホッとするひとときです。

一方、物資はその都度、ご家族分のみとしていても、袋ごとごっそり持って行く方もいます。お菓子類は、棚に陳列した途端に、すぐ完売!

支援の仕方にも難しさがあるようです。

3月18日

能登半島地震 被災地支援七尾市編4日目。

今朝は8時に総合市民体育館へ出動。市民体育館へ避難している方々がアリーナに移動するということなので、早めに行きました。

今日はその他の大きな動きはなかったので、ダンボール類の片付けの後、共有スペースの設置、食料品や衛生用品などをアリーナ内へ移動、配置。

衛生用品の中には生理用ナプキンなどがダンボールにいっぱい詰め込まれていました。

どんな風に配布しようかと考えていたら、ちょうど若い女性がきたので、お声掛けしてみました。

「今まではどうしていましたか?」「これからどうしたら受け取りやすいですか?」

結論はトイレに置くことになりました。100円ショップで可愛いカゴを購入して、それに入れてトイレに配置しました。

その後、私が共有スペースで作業をしていたら、その女性から声をかけられました。

「提案しても良いですか?ダンボールハウスの中は暗いので、更衣室に長机と椅子を置いてもらい、そこで化粧をしたいのです。仕事に出かけるのに必要なんです」とのこと!

「もちろん、市の職員に伝えて利用できるように話しますね」とお伝えしました。

女性の私が声をかけたから、女性の私がここにいたから、きっと話しやすかったんだなぁと思います。

やっぱり、避難所に女性職員、リーダーは必要です!

☆ちなみに、生理用品の箱の中に、男性用尿とりパットの個包装が混じって入っていました。気がつかなかったのでしょう、おそらく。

3月19日

能登半島地震、七尾市支援5日目。最終日です。

総合市民体育館アリーナの避難所もなんとか形になりました。

24日までにあと50人近い方々が入居します。

今朝、お話をした被災者の女性・・・

「昨日は珠洲市にサッカーの中田英寿さんが来て、重機のボランティアをした。木村拓也は輪島市に行って炊き出ししていた。みんな七尾市を通り過ぎていくんだよね。炊き出しもこないし、私もキムタクに会いたかったなあ。」

まち全体を比べれば、七尾市の被災状況は奥能登よりは大したことない。でも、一人ひとりを見ればみんな同じ被災者。

今日の北國新聞の生活情報欄の写真を載せます。子供相談や労働相談ペット相談は書いているけど、女性相談の欄はないのです。東日本大震災の時も、県の相談窓口欄に女性相談がなかったので、男女共同参画課に掲載をお願いしました。

国の男女共同参画局では、女性相談窓口設置を謳っているのに、みんなが読む新聞にはその欄がないのです。女性相談と書くと男性相談はないのかと言われるから? どこか矛盾しているように思います。

避難所で一人留守番をしていたらDWATさんがやってきました。

DWATさんいわく、「避難所回っていろいろ言いたいことあるんだけど、じっくり避難所に関われなくて、『あんたら、すぐいなくなるくせして、なに言いとるんじゃ』と言われるかと思うと、私たちからは言えないんだよね。申し訳ないけど、じっくり関わっているあなたから言ってもらえないかな」と。

わかる、わかる!私もDWAT、DMATさん見て、そう思っていました。でも、素直にそう言われると、彼らにも彼らの悩みごとがあるのですね。

七尾市支援、今日で終了し、青森へ帰ります。

今回もたくさん勉強させていただきました。感謝です。

☆写真の無断転載はご遠慮ください。

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