若年防災人財育成事業
青森中央高校が避難所になったら~高校が避難所に、その時、自分たちにできること~高校生防災ゼミの学びと実践~
2018年8月8日、青森県立青森中央高校体育館で、「避難所開設訓練」と「避難所運営訓練」を中央高校2学年防災ゼミ生、近隣の住民、そして、イトーヨーカ堂青森店の方などの参加で実施しました。
この事業は、青森県防災危機管理課の防災若手人材育成事業を活用し、青森県、青森市の協力を得ながら実施したもので、地域みらいねっとは企画・運営及び講師を担当しました。若者の防災意識を高めることと、共助の力に高校生の力も必要ということに気づき、行動につながることを目的に実施しました。
訓練に至るまでには、総合学習の時間を活用してのワークショップが4回。夏休みに入ってからの事前打ち合わせ会議などを実施し、当日を迎えました。
ワークショップ内容
第1回目(4/26)
・日本の災害、青森市の災害にはどんな災害があるか?
・「生き残るための減災」「生き延びるための減災」
・震災関連死が少ない避難所とは
第2回目(5/10)
・多様な人たちに配慮した安心避難所とは
第3回目(5/24)
・発災後の対応と避難所運営支援の流れ
*「避難所で高校生が力を発揮できることは何か」などをみんなで話し合いました。
第4回目(5/31)
・避難所運営のポイント
・実地訓練に向けての役割分担、タイムスケジュール、レイアウトづくり
第5回目(7/25)
・実施内容の確認と避難所の導線確認等
地域住民が避難者となっての避難所開設訓練
平日、朝9時発災。青森市は震度6強。停電、ガス、水道等使用不可。周辺地域の古い家屋は半壊状態。青森中央高校が避難所になり、防災ゼミ生による避難所の開設がスタートしました。 地域住民、高校生や教員、そして隣接しているイトーヨーカ堂社員等が体育館へ避難者としてやってきました。 防災ゼミ生は「受付・食糧物資班」「誘導班」「設営班」に分かれ、避難者の受付、誘導などを実施。避難者の中には要援護者もいます。避難者をどのように受付し、中へ誘導するか。また、体育館にあるもので少しでも快適な空間づくりができるかで避難者の安心感が違ってきます。
全員参加で安心避難所づくり
後半は青森市から提供していただいたアルファー化米のデモンストレーション。その後全員が各班に分かれての避難所運営訓練です。 受付班は避難者の把握。食糧物資班は炊き出し、配膳。誘導班は要配慮者のスペースづくり。設営班は居住スペースと女性配慮スペースづくり。体育館にある物と少しばかりの防災資機材を使って、少しでも快適な空間づくりをめざし、創意工夫で作り上げました。
非常食を食べた後は、感想やふりかえりを発表。そして、エコノミークラス症候群防止のための健康体操を行い、最後は避難所閉鎖で全員で片付けで終了しました。
実地訓練参加者の感想
■防災ゼミ生
・楽しかった
・充実感でいっぱい
・もっとこうすれば良かったという反省点がたくさんある。またやりたい
・もし本当に災害が来たら、慌てずに自分にも運営の手伝いができそうだ
・外国人の誘導時、最初はがんばって英語を話していたが、最後は日本語になってしまった。もっと英語を勉強しようと思った
・もっと積極的に動けば良かった
■地域住民
・若い高校生がこのように動いてくれると、自分たち高齢者はとても助かる
・明るい笑顔で接してくれて、嬉しかった
・全く初めての体験だったが、ダンボールベッドや間仕切りなど、初めて見る物が多く、勉強になった
・ダンボールを敷く時は、中面を使った方がきれいで、服が汚れない
・テントの立て方を知らなかったり、経験が足りないと思った
・もっと元気よく動いてもらいたい
・とても良い経験で、町内の他の人にも体験してもらいたい