東日本大震災から10年 防災・減災-多様な視点で

震災経験や地域防災について語り合う防災カフェを3月7日に開催しました。地域住民や県内外から防災や教育、福祉関係者など約90人が集まりました。パネリスト、スピーカーから震災時の経験やその後の活動について語っていただき、後半では、参加者全員がグループに分かれて、自分の言葉で未来に向けた防災について語り合い、防災の大切さを学び合いました。

目次

パネルディスカッション 「災害は自分事と思って」

青森市立東中学校教頭の熊澤健一さん。弘前大学人文社会科学部2年の佐々木友喜さん。福島県南相馬市在住の新川真由美さんの3人に、東日本大震災当時の実体験や復興活動を通じて考えたことなどを語っていただきました。

熊澤さんは、当時青森市立沖館中学校勤務。学校が避難所として開設され、避難者200人余りの受入、運営を担いました。しかし、防災物資は十分ではなく、寝床に体操マットを敷いたり、情報収集に技術の授業で作ったラジオなどを役立てました。「マンパワーの重要性を身をもって知った」と語っていました。

佐々木さんは、出身地の仙台市太白区で被災し、当時小学校4年生でした。高校2年生まで仮設住宅で被災者の話に耳を傾ける「傾聴ボランティア」として活動しました。内陸で被災した自分が震災を語ることを後ろめたいと感じた時期もありましたが、津波で子供を失った遺族の言葉で思い直し、「自分の言葉で被災体験や防災の大切さを発信していきたい」と語っていました。

新川さんは、福島第1原発事故を受けて南相馬市から青森市に避難し、避難者の集い「つながろう会」を設立しました。雪の多さに戸惑いながらも3年間暮らし、青森の人たちに心身ともに助けられたと語っていました。親族の命を奪った津波や地震の恐ろしさを語り、「災害は人ごとではなく自分事と思って準備して欲しい」と語りました。

これからの「防災」について、それぞれの想いを語り合う

バズセッションPART1は、日頃から防災に取組んでいる団体による震災後の活動紹介をしていただきました。

青森県防災士会の館合さん、青森市消防団青桜分団の田中さん、原別まちづくりを進める会の小鹿さんからは、この10年間に地域で取組んだ防災活動について3分という短い時間でしたが、紹介していただきました。

続いて、当社団が2019年から実施している青森市の小中学校での防災教育プログラムを実施した新城小学校6年生3人による防災教育の取組み事例を紹介していただきました。

バズセッションPART2では、10のグループに分かれて、自己紹介や今日の感想、そしてこれからの防災に対する抱負を語り合いました。

防災カフェの成果

アンケート結果(自由記述)より、次のことが確認できました。
①多様な人たちが防災に関わることの必要性
②防災教育の必要性と継続
③伝えることの大切さ
④情報交換の場の必要性

「防災カフェ-東日本大震災から10年」報告書 詳細はこちら↓


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