能登半島地震 穴水町での避難所運営支援について(第2回目)

1月13日から始めた穴水町への避難所運営支援ですが、第1回目終了から2週間が過ぎました。今回は第2回目として、2月1日から再び穴水町へ向かいます。今回も小山内代表のFacebookの記事を紹介します。

目次

2/1(木) 青森を出発

能登半島地震から1ヶ月。今日から2回目の穴水町避難所支援に向かいます。

今回はみらいねっとメンバーと女性防災リーダー育成プログラム修了生の3人で出発。仲間がいると心強いです。

今回は2回目ということで、差し入れを持参する余裕があり、青森からは紙パックのりんごジュース。熊本地震で4ヶ月避難所生活を送った益城町の吉村静代さんから託されたアップルパイ。そして、富山県女性財団の皆様からも化粧品を託され、女性たちに手渡します。

さあ、明日から「新たなフェーズ」への支援に取り組みます。

2/2(金)穴水町到着し2週間後の再会

今日から穴水町。

はじめに訪れたプルート(指定避難所)では、前回おしゃべりした赤ちゃん連れのお母さんがいました。以前は半壊したお家で生活していましたが、今は住めなくなり、プルート2階のパーティションのお部屋での生活に。足りないものはないですかと伺うと、若い人が着る下着や洋服がないとのこと。支援物資で入ってくるものは高齢者用ばかり。下着はズロースタイプで生理用ショーツもないそうです。支援者のほとんどが男性だったので言えなかったとのこと・・・。

着替える服がなく、ずーっと「着たきりスズメ」の状態。

富山県女性財団からお預かりした化粧品を差し上げ、とても喜んでいただきました。

続いて、前回避難所づくりをお手伝いした中学校の避難所へ。2週間ぶりの再会に大喜び!青森のりんごジュースと熊本の吉村さんからの差し入れのアップルパイをお渡ししたら、みなさんにとても喜んでいただけました。

「スィーツなんて1ヶ月間、食べることすら忘れていた。とってもしあわせ!」というお声をたくさん聞くことができました。美味しい物を食べると会話も弾み、みんないいお顔になります。

その後は、前回つくった柔道場の避難所へ。共有スペースもできて、みなさん楽しげに生活していました。

通路ではお母さん方が夕食の準備中。

「避難所に来て、元気になった」という高齢男性もいました。

以前の避難所からはフェーズが変わり、働きに出かける女性たちが増え、新たな心配ごとも発生してきた様子です。さらに、シャワーテントや洗濯機が入り(まだ、パイプの関係で使用不可)、新たな課題もでてきました。

先の長い避難生活になりそうなので、これからは復旧復興、生活再建に向けた課題もあります。

夜は少し山奥にある20数人が避難生活を送っている集会所へ行き、罹災証明書などの説明会に参加させていただきました。

1ヵ月経った今では、20世帯中の半数しかここにおらず、あとは金沢をはじめ、外に出られてしまったとのこと。ほとんどがご高齢の方で、一人暮らしの方もいらっしゃいました。娘さんのところへ一度は行ったが、また、戻ってこられた方もいて様々です。

明日はまた、新しい避難所づくりに行きます。

2/3(土)避難所移転への支援でわかったこと

今日は朝から、避難所移転に伴う避難所開設のお手伝い!

役場を避難所としていた皆さんが、森林センターに移動の日です。

朝イチから総勢20人余りで、掃除、ダンボールベッド・パーティーションの設営、避難所環境整えの作業を実施しました。

36人の避難者の一人ひとりのニーズに耳を傾けて設営。小山内はリーダーを務め、避難所のレイアウト、設営、被災者の方の要望などの調整役を担いました。

設営終了後は共有スペースや物資置き場、受付、靴置き場、掲示板など、生活をする場づくり。

毛布や枕などの物資を配布し、やっと、素敵な生活の場が出来上がりました!

皆さんに気持ちよく動いていただくためにはコミュニケーション能力やファシリテーション能力が必要なのです!同行したみらいねっとのメンバーは、いつもの訓練の成果を発揮!!

改めて、みらいねっとが大切にしている「互いを尊重する力」が災害時は尚更大切だと痛感しました。

そして!一緒にボランティアとして来ていた某自治体の職員曰く「ボランティアの方々の力無くして、避難所づくりはできない!!」

2/4(日)被災者へ寄り添うためには・・・

支援と共に学ぶことが多すぎの日々です。

避難所開設のご支援とともに、今後スムーズな避難所運営をするためのタイムスケジュールとお仕事の確認、共有、役割分担などのファシリテーターをさせていただきました。

被災地ではスキル、知識とともに、コーディネート能力、ファシリテーション能力がいかに必要か、改めて感じています。

昨日つくった避難所に、民間のお力で敷布団と敷パットが届き、皆様にお渡しできました。

その後は、来るわ来るわの支援物資(食料)をどこに仕分けし、どう置くか!?大変な作業です。綺麗に整頓された物資の写真はよく見ますが、その前段の状況がいかに大変か!?せっかく届いた物資を有効に活用するためには、仕分け、分類作業がとても大切なのです。

午後は足湯を開催。

これは単にホッコリしていただくために行うのではありません。何気ない会話から被災者の方のつぶやきを聴き取り、個別のニーズや支援に繋げるのです。被災者の多くは話を聴いてもらいたいのです。

今日から町の職員と対向支援の方が避難所へ配置されました。被災者の方に寄り添った支援を・・・と願います。

被災者の方はお一人おひとり、皆違った被災状況をお持ちです。家族状況、健康状態も異なります。だからこそ、開設や物資の片付け、様々な雑用を共に行うことで、信頼関係が構築され、寄り添うことができるのだと学びました。

知識とスキル、紙切れ一枚では支援はできません。

昨日、今日とみらいねっとメンバーは被災者の方の大きな力となり得たたと自信を持って言えます。今までやってきたことは間違いなかったと改めて感じています。

2/5(月)これからは、心の復興支援を・・・

今日は敷布団を入れた避難所に、パソコンで打ち込んだ役割分担表を届けながら、様子を見に行きました。

朝8時に伺ったところ、すでにお仕事に出かけた方、学校に出かけた中学生など、お留守にしている方がたくさんいました。

昨日入れた敷布団、敷きパットを使わずに置いている方もいました。昨日、いらっしゃらず、お声がけできなかった方はそのままでした。

要するに、お声かけしないとよく分からず使わないのかなぁと思います。なので、今日は敷布団の上にメッセージを書いた紙を置いて来ました。

このように、きめ細やかな対応が大事なんですね。

自治体からの支援物資が、1ヶ月も経ったのに、アルファー化米、非常食5日セットが届く現実。

プッシュ支援で200人の避難所に10個のパン!

何度も書きましたが、届くのはカップラーメンの山、山、山・・・

これは、現場を見ていない人たちが「送れば良い」とか、送っているという実績づくりなのでしょうか?

炊き出しも、他所から食缶でいただくと、配膳から後始末まで、限られた人たちに負担がかかってしまいます。

1ヶ月が過ぎた今、避難所で「少しでも日常の生活に近づきたい」と思うのは、当たり前の感情だと思います。

被災地に入った初日に、某避難所に配置された対向支援の自治体職員に、担当の避難所の状況をお伝えし、仕組みの改善をお願いし、最後に性暴力防止啓発ポスターを貼らせていただきました。その方から今日、「対向支援にも女性職員必要ですよね。男性ではわからないこともたくさんあります。」というお言葉をいただきました。

丁寧なお付き合いがあったからこその発言だと思います。

午後は曽福地区の集会所の避難所で、地域の方々の現状把握とニーズ調査。足湯も開催しました。ぼたぼたと雪が降り始め、昨日までの晴天とは裏腹に日本海側の気候となりました。

そこで聴いたつぶやき・・・「いつまで国や自治体のお世話になっているんだ、と言う人がいて、避難所を出て行った人がいる。でも、自分は行くところがない。」

いろいろなことがあります。

これからは、心の復興を応援していきたいと思います。

明日の朝、穴水町を出発し帰ります。

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