能登半島地震 被災地支援について(第3回目)

1月、2月と行ってきた能登半島の被災地支援。第3回目は3月3日に青森を発ち、4日間の活動を行いました。今回も小山内代表のFacebookの記事を紹介します。なお、詳しい報告は3月24日(日)に行います。

目次

3月3日(日)能登半島地震 被災地支援、第三陣出発しました

始発の新幹線に乗り、今回は金沢経由。金沢から能登里山街道で七尾まで。そこから249号線で一路穴水町へ向かいます。

今日は、1回目と2回目の支援活動で避難所を開設した避難所を訪問しました。みなさん、元気で頑張っていました。

仮設住宅やご自宅に帰られた方もいて、だいぶ人数は少なくなっていました。そして、小さな避難所は集約されてきています。

穴水町では、炊き出しとしてセントラルキッチンを設置。町の被災した飲食店関係の方が調理し、各避難所に配達します。食材は町のスーパーから購入し、なるべく町にお金を落とす仕組みになっています。

穴水中学校では、元気なお母さんたちに迎えられ、賑やかで楽しいひと時となりました。みなさん、元気にしていますが、やはり、今後のことを考えると不安もたくさん抱えています。

・以前働いていた職場が統合されて、新しい人間関係で慣れない中でのお仕事。

・年齢を考えると新しく家を構えるのは無理。

・先が見えない不安。

・夫との意見の相違。

一方、明後日は高校入試、「頑張らないと」と、明るく振る舞う親子。

被災者でも、普通の生活が始まっています。だからこそ、少しでも普通の生活ができる環境づくりが必要です。

夜は「すかいらーく」さんによる配食に並んでいる在宅避難者の方へアンケート調査をしました。今日で自衛隊による配食が終了するので、今後に向けての調査です。

在宅の方も水道、エコキュートなどが使えず、食事を作ることができない方もいます。そのような方々には配食はまだまだ必要です。

明日は個別訪問に行きます。

3月4日(月)能登半島地震 被災地支援 2日目

午前中は、穴水町沖波地区のご家庭への個別訪問を実施しました。この地区は日本海に面した地域で、海もきれいで、お天気が良ければ最高の場所です。

一軒一軒、お邪魔して世帯や住まいについて、健康や生活について、制度のカテゴリーでの調査を実施しました。震災前からの空き家、お留守の方もいらっしゃいましたが、在宅の方は快くお答えくださいました。健康面やお住まいの状況について、今後の支援が必要な方は、専門家へリファーし、再訪問をお願いします。とても地道な作業ですが、このような丁寧な寄り添いが人々を救っていくことになると感じました。

お会いできた方は平日の午前中ということもあり、高齢の方が殆どでした。一人暮らしの方も多かったのですが、「これからもここで生活していく」と力強く語ってくれた方もいらっしゃいました。

午後はずーと取材尽くめ。

午後一でテレビ朝日の取材をzoomでうけ、そのあとNHK、夕方はzoomで東奥日報と続きました。ちなみにNHKは8日朝の“おはよう日本”で放送予定ですので、みなさん、ご覧ください。

別話ですが、石川県、福井県、富山県の女性の就業率は全国の中でも高いのです。その理由は三世代同居も多く、働きやすい環境にあること。でも、だからといって、女性の管理職が多いかというと、石川県は全国ランキング38位!パートなどの働き方が多いのですね。穴水で出会った女性たちも多くがパートなどで働いていました。震災後、2月から復職した方、職場を失った方、復職の連絡を待っている方など様々です。

震災後の生活再建も今後、経済格差などによって、また違った軋轢が生じかねません。

明日は、兜小学校避難所にお邪魔する予定です。

3月5日(火)能登半島地震 被災地支援 3日目

午前中は旧兜小学校避難所に敷布団を持って伺いました。最高、200人程いた避難所は今日は3人になっていました。2月に入って水道が使えるようになってから、みなさん半壊したご自宅に戻られ、1週間前には20人。今日はついに高齢の女性が2人と、比較的若い女性が1人。

この地区は電気は殆ど止まらず、暖をとることも最初から問題なかったそうです。

生活には電気と水道が欠かせないということをひしひしと感じました。

若い女性は余震が怖くて夜は避難所にいるそうです。

この避難所には自衛隊が1月7日あたりから常駐しており、炊き出し、お風呂の支援を受けられていたそうです。

その後、穴水町の仮設住宅を見学。

午後は穴水支援班と調査班に分かれて行動しました。私は調査班として、珠洲市に行ってきました。アポもなく珠洲市の飯田小学校避難所を訪れました。とても素晴らしい運営をしていた避難所でした。

昇降口には「取材お断り」と書いており、ハードルが高かったのですが、勇気を出してお声掛け。すると門番のような男性から「何のご用ですか?」と聞かれました。丁寧に説明していくうちに打ち解けて、快く受け入れていただきました。子供たちのくつ箱を使って物資の分類をしており、「素晴らしいですねー」から始まり、楽しくお話が弾みました。

その後、この避難所の運営をしている30〜40代くらいの女性とお話ができ、発災から今までのことをお話ししてくださいました。

この女性はこの小学校の保護者であり、PTA活動もして学校ととても良い関係づくりができており、コミュニティスクールの運営にも、2〜3年前から良好に取り組んでいたそうです。

そのようなこともあり、校長先生(女性)とも親しく、一緒になって避難者の受け入れと、その後の運営をなさったそうです。やはり、平時の関係づくりがポイントですね。地域防災の見本のような避難所でした。

避難するときのお話は、3月24日の能登半島地震被災地支援報告会でお話しします。

さて、最後の締めは、さわやか交流館プルートの夜の配食のお手伝いです。今日はスカイラークのお弁当。被災者お一人お一人にお渡ししました。

今日も学びの多い、とても有意義な一日でした。

3月6日(水)能登半島地震 被災地支援 4日目

今日は一日中、川島第二仮設住宅の入居お手伝いとお声がけ活動を実施しました。これに関しては以前にFacebookでご紹介したので割愛します。

夕方からは、今日から支援に入った栃木ボランティアのメンバーへ足湯の指導をしました。ここはみらいねっとの足湯プロの田中茂子、工藤知久子の二人が大活躍!マニュアルには書いていない経験に基づいたポイントを指導していました。

~昨日の珠洲市飯田小学校避難所について~

発災後すぐに津波警報が発令され、850人の地域住民が高台にある小学校避難所に避難! 校庭に町会ごとに整列。点呼ののち、体育館に入る。その間、体育館には町会別にゴザをひき、定位置で夜を過ごす。これは副町会長と数人のリーダー的な存在のメンバーで実施したそうです。

次の日、明るくなると体育館横の山が崩れていることに気づき、他の避難者にはそのことは伝えず、教室に移動することのみ伝える。

各教室への移動も町会ごとにスムーズに移動。あまりの人数に横になることもできないほど、すし詰め状態。

そして、いよいよ避難所生活の始まり。ここからが、この避難所運営の素晴らしいところ。続きはまた、後日。私たちが寝泊まりする拠点も消灯時間なので、今日はここまで。

被災地支援、第三弾は明日で終了です。

3月7日 (木) 能登半島地震 被災地支援(最終日)

今日は2チームに分かれて活動です。

田中、工藤のチームは第二仮設住宅で、昨日に引き続き、入居者の方のお引越しや問い合わせ対応。役場に電話をして問い合わせたり、荷物をはこんだり、体力勝負だったようです。

山口、小山内チームは第一仮設住宅。

小山内は午前中は浅野幸子さんと「ほくりくみらい基金」の永井さんのエスコートで避難所を周りました。その途中、偶然通りかかった女性から「お疲れ様です」と声をかけられ、「青森から来ました」とお伝えすると、なんとアスパムに行ったことがあると!この方、穴水町商工会女性部の部長をしており、震災以前からまちづくりに尽力していた方でした。今は、まちの復興に向け、みんなで取組んでいるとのこと。お店も少しずつ再開し始めているので、ぜひ立ち寄って欲しいとおっしゃっていました。

そこで、ちょうど昼時になったので、パン屋さんに立ち寄り、人気商品を購入しました。小さな支援ですが、大事なことです。

○発災から2週間目は、避難所の生活環境改善への取り組み。

○1ヶ月目は避難所集約、移転に伴う避難所づくりと運営のお手伝い。そして、被災者の方一人ひとりに寄り添うための足湯。

○2ヶ月目の今回は、避難所から半壊したご自宅に戻られ、新たな歩みを始めた方や、避難所から仮設住宅へ移られる方へのご支援。

フェーズによって課題は変わってきます。そして、まちの復興に向けて歩み出している女性たち!その課題解決のお手伝いを微力ながらも出来ていることがうれしいです。そして被災者の方の「ありがとう」の言葉に元気を頂き、私たちの力になっています。

次回は来週、小山内は七尾市の集約避難所づくり、運営の支援に入る予定です。

仮設住宅編

【仮設住宅編 3月5日】

川島第一仮設住宅の支援

15世帯中、すでに13世帯が入居済み。集会所があり、そこにボランティアを配置。地域の民生委員の方と共に相談対応している。

@家の鍵が開かない、かけられない

@IHの使い方がわからない

@壁に画鋲を使ってもいいですか?

@糠漬け漬けたいから、風除室にカーテン付けて良いか

などなど

新しい生活のスタートにあたって、さまざまなご相談がありました。

比較的ご高齢者が多いこともあり、新しい住処はわからないことだらけ。しかも台所はIH。

【仮設住宅編 3月6日】

今日から入居可能な第二仮設にテントを貼り、入居の支援をしました。ご家族がお荷物を運んでくる方もいれば、津幡市の避難所にいて、そこから引越してくる方もいました。

仮設住宅は入居人数に合わせて、1DK、2DK、3DK。しかし、収納は奥行きも浅く、使い勝手は良いとは言えないようです。

家電製品は災害救助法で支援されていますが、13万円を超えると自己負担とのこと。買える家電はテレビ、冷蔵庫、洗濯機と限られています。

自立に向けての第一歩ではありますが、まだまだ支援は必要です。

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